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■楮紙(コウゾ) 〜しなやかで強い〜
楮は、桑科の落葉低木で種・根分け・枝分け法のいずれによっても生育する強い成長力をもっています。品種は多く、その中の一つに構とよばれるものもあります。楮の繊維は他の原料に比べて太く長いので、繊維が絡み合う性質があるため、強度は高く、なかなか破れません。最も和紙らしい感じを受けます。厚い楮紙は男性的で強靭な感じを、薄い紙はしなやかな柔らかい感じを与えます。しかもその代表的な楮紙としては、生漉奉書紙(主に福井県)・杉原紙(兵庫県)・西ノ内(茨城県)・本美濃紙(岐阜県)・黒谷和紙(京都府)・泉貨紙(愛媛県)などありますが、用途の最たるものは書写用や木版印刷用の記録用紙でした。また、障子紙として内山障子紙(長野)・美濃書院紙、土佐障子紙(高知)、続いて傘紙でありました。
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■雁皮紙(ガンピ) 〜美しく、優雅〜
雁皮はジンチョウゲ科の落葉低木で、採算性から野生の皮を使用します。古代では斐紙もしくは肥紙と呼ばれ、美しく、風格があります。繊維は細く短かいので緻密で緊密な紙となり、紙肌は滑らかで、独特の光沢のある紙ができます。繊維の中には粘剤の成分を含有しており、古代には麻紙や楮紙に適度に雁皮を混入して、紙面の平滑化を図り充填材としての役割を果たさせました。
しかし、その成分が逆に紙造りの際の水垂れを悪くし、厚い雁皮紙を漉きにくくしていました。また、多くの水気に接すると収縮して、紙面に小じわを生じる特性があるために太字用には適しないとされ、かな料紙・写経用紙・手紙などの細字用として使われるのが一般的です。
現在の雁皮紙は、鳥子紙(福井県)・加賀雁皮紙(石川県)・近江鳥子紙(滋賀県)・薄様雁皮紙(高知)などで絵画・版画用紙として使われています。
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■三椏紙(ミツマタ) 〜光沢がある〜
三椏は、ジンチョウゲ科の落葉低木で、それぞれの枝が三つに分かれて生育しているところから付けられた名前です。楮・雁皮が古代から使われていたのに比べて、三椏は桃山時代(1568〜1600)後期から使われ始め、比較的新しい原料とされてきました。慶長3年(1598)三須家文書の3月4日付、家康公黒印状が三椏紙の初見とされています。
三椏の繊維は細くて短く雁皮に似ていますが、雁皮よりやや大きく、紙面も平滑で細字用紙として優れた紙と言えます。三椏は栽培が可能であるので、三椏の需要が大きくなりました。三椏紙は、鳥子紙・流雲(福井県)、三椏半紙(鳥取県)、改良半紙(愛媛県)・清光箋(高知県)などでこれも雁皮紙と同様に、絵画・版画用紙として使われています。 |
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